どの仕事にも良い面があれば悪い面もある。
システムエンジニア(以下、SE)も例外ではないが、実際にSEを経験した身として、今回は良い面にフォーカスして語りたい。
SEのつらい部分については、以下の記事に記述したので、是非、参考にしていただきたい。
そもそもその仕事内容とは
SEの仕事の良い点について記述する前に、SEの仕事内容について話したい。
SEの仕事は、ITシステムを作り上げることである。
銀行のATMでの振込、ECサイトでの商品の購入、こういった場合に裏で動いているコンピュータの処理を作り上げるのがSEの仕事である。
自社で製品を作るのでなく、官公庁、銀行、一般企業から依頼を受けて、製品を作り上げる。
また、プログラマーとSEとは異なる。
プログラマーは、プログラミングをして製品を作り上げる人であり、SEはプログラマーやその他関係者に作業をお願いして、全体の管理をするのが仕事だ。
ブラックだったSEの仕事はなぜ改善されたのか?

SEの仕事は、かつてはブラックな仕事の代表格であった。
10年以上前にSEとして働いていた先輩からは、毎月のように残業時間が100時間を超えたり、会社の休憩室で泊まったり、数日間ほぼ徹夜で作業したりといったエピソードを聞かされた。
しかし、現在はそういった状態は改善しており、月の残業が100時間を超えるようなことは滅多にないと思う。
では、なぜ改善されたのか考察したい。
働き方改革の結果
SEの労働環境に劇的な変化があったのは、2015年前後だと思われる。
2010年代前半から、長時間労働やブラック企業が社会問題化し、2016年に「働き方改革実現推進室」が内閣官房に設置された。
この結果、SEの労働環境が大きく変わった。
私は、当時東京のSIerで働いていたが、2016年から、残業に対して厳しく管理されるようになった。月の残業が100時間を超える場合には、強制的に休まされることもあった。
SEは、残業の多いブラックな職種として槍玉に挙げられることが多く、仕事がら官公庁との関係もあるため、働き方改革の影響は大きかった。
中小企業で一部まだ残っているかもしれないが、ほとんどの会社で過労死ラインを超えるような仕事はなくなっただろう。
ただし、以下のような場合には、一時的にハードワークが必要となるので注意が必要だ。
- システムのリリース直前(特に官公庁系や金融系)
- 本番リリース後の重大な障害・トラブル対応
技術的な進歩
ITの技術はここ数年で大きく進歩している。
そのことが開発スピードが向上、作業の効率化、システムのトラブルの減少に寄与している。
例えば、クラウドの普及の影響が大きい。
クラウドが本格導入される前は、自前でのサーバーやネットワークの構築、OSやソフトウェアのインストール、アプリケーションの立ち上げなどインフラ面も全て1から構築する必要があった。
この結果、予期せぬトラブルを生んで、サーバーを管理するデータセンターに深夜タクシーで向かうことになるのである。
現在は、官公庁系や金融系を除けば、ほぼ、外部のクラウドか社内で構築したクラウドを使用することが多いだろう。
クラウドなら、ボタン1つ、オンライン上で作業ができるので、作業効率が良く、いざとなれば自宅でも作業ができる。
深夜にタクシーを飛ばす必要もないのだ。
SEの仕事の良いところ
ここからは、SEの仕事の良いところを書きたい。
きれい事抜きの本音を伝えたいので、そのつもりで読んでほしい。
1. 仕事の給料が良く・安定して稼ぐことができる

SEの仕事は、一般に給料が良い。
未経験でも、若ければ十分SEになれるので、安定して稼げる仕事を探しているのならばお勧めである。
- 日本人の平均年収は433万円(令和2年分 民間給与実態統計調査)
- SEの平均年収は733万円(令和4年 厚生労働省調査)
となっており、日本人の平均年収をはるかに超える収入を稼ぐことが可能である。
また、SEの給料は右肩上がりで増えており、今後もエンジニアが不足することが考えられる。
非常に将来性の高い仕事なのだ。
SEには、転職の手段として、技術に強いタイプならプログラマー、管理が得意なタイプならプロジェクトマネージャー、事業の立ち上げをしたいならITコンサルなど幅広いキャリアが存在する。
いずれの職に就くにしても、働きながら専門性を磨くことが大事だ。
プロジェクトマネジメント、AWSなどのクラウド、ネットワーク・データベース、プログラミング、AIなどいろんな専門分野が分かれており、年齢が上がれば上がるほど特定の分野に特化した方が収入は増えやすい。
自分がどの分野に向いていて、好きなのかを考えて、業務で経験を積んだり、資格を取ることをお勧めする。
手早く稼ぐならシステムエンジニアである。
2. さまざまなことで役立てられるスキルが身に付く

SEの仕事は、プロジェクトを立ち上げて、プログラマーの管理や業務の効率化を行い、期間内にプロジェクトを終わらせることである。
この経験を通して、得難いスキルが身につくのだ。
何より、ITの知識が幅広く身に付く。
ネットワーク、データベース、プログラミングなどSEは幅広い分野の知識を必要とする。
ここで身についた知識が、他所に行ったときに役に立つのだ。
ブログ用にサーバーを構築して、Wordpressを導入することも容易に覚えるられるだろう。
スタートアップ界隈は、常にエンジニアが不足している。
SEであれば、サービスを作る方法に熟知しているし、プログラミングのスキルがあれば、自分でサービスを立ち上げることもできる。
それだけでなく、人と接することが多く、コミュニケーション能力、マネジメント能力、論理的な思考力なども身につけることができる。
3. 副業・独立がしやすい

副業の代表として、アフィリエイト、物販、クラウドソーシング、アプリ開発、動画編集、投資などが思いつく。
インターネットやPCを利用して行う副業がほとんどだ。少なくとも、PCを利用した方が効率的にできる。
アフィリエイトは、サイトの立ち上げや簡単なプログラミングも必要なので、どうしてもITの知識が必要だ。
物販も、自身でECサイトを立ち上げれた方がよいし、アプリ開発などは言うまでもなくプログラミングの知識が必要になる。
SEなら、仕事でパソコンは扱いなれているし、サイトの構築も少し勉強すれば難なくできる。
そのため、さまざまな副業を始めることが容易でできる。
また、フリーランスとして独立することも比較的やりやすい。
レバテックフリーランス
は、エンジニア専門のフリーランスエージェントで、SEからエンジニアになった人も多い。筆者もその一人だ。
エンジニアにおすすめの副業については別の機会で取り上げたい。
4. 仕事を通じていろんな人に出会える

エンジニアと名前についているが、SEは、PCを使った開発よりも、いろんな人とコミュニケーションを取ってプロジェクトを円滑に進める仕事をする。
プロジェクトは大きいものだと、何千人が関わるため、人との出会いも多くなる。
同業のSE、顧客である官公庁や一般企業の人、デザイナーなどと知り合うこともあるだろう。
仕事以外の接点が多い。
ITはイベントが多いのである。
例えば、IT トレンドEXPOのような最先端の技術動向を学ぶセミナーもあれば、サークルのような形ですきな人が集まって開催するイベントも頻繁に行われる。
ハッカソンと呼ばれるプログラミングのイベントや、スタートアップ系のイベントなどもある。
世界中、ITに関連した仕事をしている人はいるので、日本に限らず、世界中の人と出会えることも魅力の1つだ。
5. 嫌な人がすくない

これは、非常に主観的な話だが、私の勤めていたN社では嫌な人はほとんどいなかった。
SEは職業柄、論理的に考えることが身についているためか理不尽な物言いや怒り方をする人は少ない。
仕事である以上、特に新人のうちは怒られることもあるが、怒られたのは、いずれも自分に落ち度のある場合だった。
SEでない友人からは、ほとんどの確率で上司が嫌いだとかムカつくという話を聞くが、私の場合、そこまで嫌いな人はいなかった。
また、SEはあまり体育会気質ではなく、飲み会も少ない。
ほとんどの現場で、多くても1月に1回程度しか飲み会がないので、仕事場の付き合いの飲み会が苦手な人には助かる。
6. 働き方が柔軟

SEの働き方は比較的柔軟である。
- 転勤が少ない(大部分の仕事は東京や大阪などの都市圏)
- リモートでの仕事が多い(オンラインで仕事できるため出社の必要がない)
- 私服で仕事できる(顧客と会う必要がないときはスーツでなくてよい)
こういった特徴があり、安定して都市圏に住んで、リモートで働きつつ、たまに出社するようなスタンスで働きたい人には向いている仕事である。
コロナ禍に入ったとき、必要なとき以外は出社しないでよかったとSEの友人からは聞いている。
また、コロナの前からも、週1, 2はリモートで働く人も多かった。
フリーランスのエンジニアに転身すれば、フルリモートの仕事だって選ぶことができる。
柔軟な働き方で、まったり働くには合っている仕事なのだ。
まとめ
今回は、SEの仕事の良いところについて、紹介した。
SEの仕事についてきつい部分は、下記に記載しているので、そちらも参照して、良さそうならSEに転職を検討することをお勧めする。
SEの転職サイトとして、以下のものをおすすめする。
未経験や大手の仕事もあります。
転職の前に、プログラミングについてもっと学びたいという方は、以下のプログラミングスクールなら未経験からでも学ぶことができます。